2016/3/25 (敬称は省略します)
オバマの有終の美
●8年前のプラハ核廃絶宣言で初めての黒人大統領として華々しく登場したオバマは、そのごブッシュの遺産を引き継ぐ中東アフガンへの戦争継続には当初かなりの躊躇を示したのを覚えている。 やはり彼は基本的には平和主義者で、アメリカの中でもいわゆる黒人やマイノリティのサポートを得て民主党大統領に選出された所以でもある。 その間、中国の台頭には特に反対しないで、むしろ再選後の2期目には新国家主席の習近平にはいわゆる太平洋2分論にこそは馴染まなかったにしても、中国とのG2構想にも特別な反対はしなかったものだ。 しかし世界の工場として経済力をつけた仮需レバレッジの中国の経済実態はその内容が想像を絶する想定外の無軌道な国家主導的バブルを内包する放漫経済を隠蔽しながらのもので、結局はここ最近までにはほとんどが仮需をでっち上げての留まるところを知らない官製バブル経済を積み上げてしまって、とうとう外資の離反によってその経済実態を世界に知らしめることになった。 いまだに土地と金融のバブルは解消せずに足かせになった跛行状態のままで現在に至っている。 そのことに至るまでに中国は平和的なG2からその内実の野心的な目論見を露骨にアメリカに対抗する意味で持ち始め、とうとうアメリカは中国こそ新たな封じ込めの対象国と認定し始めた。 とくにオバマ2期目の対中国政策はその一期目から比べても、とくに中国のバブル露見が明確になってからは、オバマの世界政策のうちの問題点については急速に整理整頓を着実に進めまた画期的な終盤効果を上げたのだ。 ひとつにはイランとの制裁解除による和解でイランを国際政治表舞台に解放した。 それに加えてウクライナ以後のロシアとの対立関係をシリア問題を絡めてロシアとの停戦合意に至らしめたこと。 それと最近の突如としてのキューバとの国交樹立である。 もちろんロシアとの了解の上だろう。 これらにはすべてその裏にはロシアとの和解があってのことだ。 オバマロスなんて言われながらの2期目の終盤になってのオバマの粘りは大変なものだ。 また最近になってのヨーロッパの浮沈は目覚ましいものだ。 ギリシャの動揺はいま思えば、EUの先駆け兆候であったのだ。 それに最近のイギリスのEU脱退の国民投票も予断を許さない。 そんななかで、アメリカの神経を中国が刺激してアメリカの対中国観を対決に舵を切らせたのが、中国の方空識別圏設定と南沙諸島の紛争地域の人工島飛行場と軍移設設営の一方的国際法無視とあのAIIB構想の実現である。 もうこれは明確な対米核心的対抗政治軍事マターである。 今回の北朝鮮に対する恒例の軍事演習ではアメリカは有無を言わさずに中国に深入りしすぎた韓国を強権的に日米間同盟の中に引きずりなおして体制の規律更生処置を押し通した。 そして中国の指示に逆らう振りをしているように装わせるようにしている北を横目にもはや実戦に近い演習をして北に揺さぶりを掛けているがそれの矛先は中国にも暗黙的には向けているほどの強い意志を看取されるという。 もうアメリカは世界の紛争地域問題のほとんどは中国を除いてオバマは大掃除したと言ってよい。 この整理整頓の上に立って、核心的立場を標榜する中国に的を絞って対峙する体制が整ってきているのだ。 ちょうどその節目に今年の秋には新大統領が誕生する。 問題整理の後のまだしも行き届いたお庭だ。 新しい絵図が描かれようとしている。 経済は、世界は、名実ともに以前の超大国と言われたアメリカの一挙手一投足の中にあるのだ。 我々世代には懐かしいアメリカの蘇りといえば大仰に過ぎるかもしれない。 身近に粗雑な隣人がいるだけにもうはっきり言えばこれで終わりにてほしいというのが正直なところだ。 ただアメリカから日本に対する騒々しい不平不満もあるようだ。 日頃は日本に対する関心などはとんと聞かないのだけれど二人のほとんど決まったと認定される候補者が日本安全保障タダ乗りとか貿易不均衡責任などと改めて詰られるとどうもアメリカ中心主義の偏りなどとも思ったりする。 いずれ今よりは両国関係ももっといろいろストレートに言い合える関係作りがさらに必要かもと思ったりする。 いずれにしてもアメリカはこれからはもっと直截的になるのはそうとしても、日本的オプラートに包んだ腹芸会話では隔靴掻痒で間違った理解無を招来する。 相手を中国一本にアメリカの国益追及を求めるこれからは両国間にも新たな緊張を含んだ今までとは違った緊張、軋轢が出てくることは間違いない。 とくに日本のユルフンの政治経済の中ではアメリカによる外圧刺激は致し方ない。 むしろ望んでその緊張の中で背筋を伸ばさせる必要を感じさせるほどの成長忌避要因が政治だけでなくあらゆる世間に蔓延しているようにも見える。 本当の処方箋はじつにアメリカから本当の意味で独立することこそが一番なのだ。 カネで精神を売る売春に似たど根性が日本をこんなにしたと言える。昔もいまも変わらない。 佐藤首相当時に日本はアメリカの妾論争を生んだがいまもその流れは生きているようだ。 なんでもカネ。 もう卑しいほどの身分社会の蔓延。 そのくせ空っぽで中身のない建前だけの横着と横柄の横行。 とくにそのことは社会の木鐸たるべき政治家や公僕人の堕落は平成のいまさらにその社会におけるその価値の下落は留まるところを知らない。 そのこと自体が日本の根底からの成長阻害の現状とにかく維持に縋っているのだ。
話は変わるが、巡礼精神にも似た心意気のオバマは任期終了時までにはどうやら広島に行きたいと言ってるらしい。 8年前のプラハと8年後の広島で締めくくりをとの彼の思いは日本人にも刺さるところはある。 彼の前のブッシュに比べてアジア生まれのオバマには何かゆかしさを感じていただけに敢えて前任のブッシュよりは人間味を感じているが、アメリカは次にはまたまた変わりそうだ。 強い怖いアメリカはとくに中国をどう手なずけるのか。 世界はその一点に注目するだろう。 どんなことがあっても中国はアメリカとは不戦である。 負ける戦争をするはずがない。 しかしながら日本の立場はやはり中国とはいかなることがあっても親和姿勢を貫くことである。 韓信の股くぐりも敢えてこれを甘受するくらいの度量もいるのだ。

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